法人向けリースバック会社比較8選!事業用不動産で資金調達する方法

法人向けリースバック会社比較7選!事業用不動産で資金調達する方法

本社ビルや自社工場、店舗などの事業用不動産を売却し、そのまま賃貸として使い続けられる法人向けリースバックは、赤字決算や債務超過で金融機関からの融資が難しい企業でも、資産価値を裏付けに資金調達できる手段として利用が広がっています。

一方で、売却価格やリース料、契約形態は会社によって差があり、1社の提示額だけで契約すると、他社であればより有利な条件を引き出せたケースを見逃すことになりかねません。

この記事では、法人向けリースバックを比較する前に押さえておきたい基礎知識と、事業用不動産を扱う主要7社の特徴、比較する際のポイントを解説します。

法人向けリースバック会社8社比較表

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会社名運営会社対象資産対応エリア契約形態買戻し査定・契約スピード
事業用リースバックセゾンファンデックス(クレディセゾン系)オフィスビル・事務所・店舗・社員寮・工場等(個人名義も可)全国普通賃貸借対応査定:最短即日〜3営業日/契約:最短2週間
リースバックプラス+一建設(飯田グループHD系)原則、取り扱い不可の物件なし(倉庫・工場含む)東京・千葉・埼玉・神奈川・京都・大阪・兵庫標準=普通賃貸借/定期=定期賃貸借対応(定期プランは売却価格と同額も)査定:1〜3日/契約:記載なし(決済は最短即日)
不動産SHOPナカジツ株式会社不動産SHOPナカジツ要問い合わせ愛知・福岡・千葉・静岡・熊本・埼玉・岐阜契約形態対応要問い合わせ
ハウス・リースバックハウスドゥ(And Doホールディングス)戸建・区分マンション・店舗付住宅・事務所・土地全国(726店舗のFC網)普通賃貸借対応(別途条件あり)査定:1週間以内/契約:通常40日、最短5日(要手数料)
KEIAIのリースバックケイアイスター不動産×セゾンファンデックス提携住居用不動産+オフィスビル・事務所・店舗・工場関東エリア中心定期賃貸借対応契約:最短2週間
マンションリースバックスター・マイカ(東証プライム)マンション(社宅・保有物件向け)札幌・仙台・東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・京都・兵庫・広島・福岡普通賃貸借・定期賃貸借記載なし査定:最短即日〜3営業日/契約:最短1週間
セール&リースバック三菱地所リアルエステートサービス(三菱地所グループ)本社ビル・工場・物流施設・店舗等(CRE戦略向け大型物件)記載なし(全国主要都市が中心)記載なし記載なし記載なし
事業用リースバック株式会社リアルエステート店舗・事務所・工場等(銀行融資が難しい事業者向け)記載なし記載なし記載なし記載なし
目次

法人向けリースバック会社比較8選

法人向けリースバックは、大手不動産会社の子会社から信販会社系のノンバンクまで、運営元の系統によって得意とする物件や審査の考え方が異なります。本社ビルのような大型不動産を得意とする会社もあれば、店舗付き住宅や区分マンションなど小回りの利く物件を得意とする会社もあり、同じ物件を持ち込んでも査定額や契約条件は一様ではありません。

比較にあたっては、対応エリアと対象資産(自社の物件がそもそも扱えるか)、契約形態(普通賃貸借か定期賃貸借か)、買戻し条件の有無と算出方法、査定から資金化までのスピード、の4点を軸に見ていくと各社の違いが整理しやすくなります。以下では、対応エリアや対象資産、契約形態が異なる主要7社を紹介します。条件は各社公式サイトおよび公開情報に基づく目安であり、実際の金額や契約内容は物件ごとの査定によって変わります。

それぞれ順に紹介いたします。

セゾンファンデックス「事業用リースバック」

セゾンファンデックス「事業用リースバック」公式サイトの画像
対象資産オフィスビル・事務所・店舗・社員寮・工場等(個人名義も可)
対応エリア全国
契約形態普通賃貸借契約
買取価格の目安市場価格の60〜80%程度(業界一般の目安)
買戻し対応
査定・契約スピード査定:最短即日〜3営業日/契約:最短2週間
個人事業主の利用可(個人名義の物件でも申込み可)
運営会社セゾンファンデックス株式会社

クレディセゾンのグループ会社であるセゾンファンデックスが、事業者向けに特化して提供するサービスです。本社ビル、社員寮、工場、店舗など幅広い業種の物件を買取対象としており、個人名義の物件でも利用できます。

契約形態は原則として普通賃貸借契約で、更新を重ねる限り希望する期間の継続使用が可能です。査定は最短即日から3営業日、契約までは最短2週間を案内しており、業績悪化による買掛金の支払い延期や、取引先の値下げ圧力による資金繰り悪化といった場面での活用事例が公開されています。

一建設「リースバックプラス+」

一建設「リースバックプラス+」公式サイトの画像
対象資産原則、取り扱い不可の物件なし(倉庫・工場含む)
対応エリア東京・千葉・埼玉・神奈川・京都・大阪・兵庫
契約形態標準プラン=普通賃貸借契約/定期プラン=定期賃貸借契約
買取価格の目安記載なし(市場価格の60〜80%が業界一般の目安)
買戻し対応(定期プランは売却価格と同額での買戻しにも対応)
査定・契約スピード査定:1〜3日/契約:記載なし(決済は最短即日)
個人事業主の利用可(法人・個人事業主どちらも対応)
運営会社一建設株式会社

飯田グループホールディングス傘下の一建設が提供するサービスで、法人の資金調達にも対応しています。対応エリアは東京・千葉・埼玉・神奈川・京都・大阪・兵庫が中心で、原則として取り扱い不可の物件はないとされています。

標準プランは普通賃貸借契約、定期プランは定期賃貸借契約から選択でき、契約に伴う敷金・礼金・仲介手数料はかかりません。最大の特徴は買戻し条件で、一般的なリースバックの買戻し価格が売却価格の110〜130%程度になりやすいのに対し、定期プランでは売却価格と同額、またはそれ以下での買戻しに対応しています。倉庫や工場など特殊な仕様の不動産を保有し、将来的な買戻しを見込む企業に向いています。

不動産SHOPナカジツ

対象資産不動産全般(戸建て・マンション中心。事業用不動産の記載はなし)
対応エリア愛知県中心(名古屋・岡崎・豊田等)。福岡・千葉・埼玉・静岡・熊本・岐阜・東京(小平)にも店舗展開
契約形態記載なし
買取価格の目安記載なし(相場・住宅ローン残高を加味して個別に決定と案内)
買戻し記載なし
査定・契約スピード査定無料。スピードの記載なし
個人事業主・法人の利用可(対象者に「個人・法人」と明記)
運営会社株式会社不動産SHOPナカジツ

愛知県を地盤に直営店20店舗以上を展開する不動産SHOPナカジツが提供するリースバックです。自社で物件を買い取るのではなく、複数の投資家・買主候補の中から最も条件の良い買主を探す仲介型の仕組みを取っている点が、自社買取型の大手他社との違いになります。

対象者は個人・法人のどちらも案内されていますが、公式サイト上の説明は住宅ローンの返済や老後資金確保など個人の自宅売却を主な想定として書かれており、事業用不動産に関する記載は見当たりません。法人として利用する場合は、対象資産や契約形態について事前に個別確認が必要です。愛知県のほか、福岡・千葉・埼玉・静岡・熊本・岐阜・東京(小平)にも店舗を構えており、地域密着での相談を求める中小企業にとっては候補の一つになります。

ハウスドゥ「アセット・リースバック」

ハウスドゥ「アセット・リースバック」公式サイトの画像
対象資産戸建・区分マンション・店舗付住宅・事務所・土地
対応エリア全国(726店舗のFC網)
契約形態普通賃貸借契約
買取価格の目安記載なし
買戻し対応(別途条件あり)
査定・契約スピード査定:1週間以内/契約:通常40日、最短5日(要手数料)
個人事業主の利用可(個人事業主・中小企業の事業用不動産に対応)
運営会社株式会社And Doホールディングス

東証プライム上場のAnd Doホールディングスが、全国726店舗のフランチャイズ網を活かして提供するサービスです。戸建て、区分マンションのほか、店舗付住宅、事務所、土地まで対象資産の幅が広く、住宅ローンの残債がある物件でも買取に対応します。

契約形態は普通賃貸借契約のみで、期間の制限がないため長期的な事業継続を前提にしやすくなっています。査定は1週間以内、契約は通常40日程度ですが、別途手数料を払えば最短5日での契約にも対応します。全国に店舗網を持つ会社を探している地方の事業者にとっては、相談窓口を見つけやすい点も利点です。

KEIAIのリースバック

KEIAIのリースバック公式サイトの画像

対象資産住居用不動産+オフィスビル・事務所・店舗・工場
対応エリア関東エリア中心
契約形態定期賃貸借契約
買取価格の目安記載なし
買戻し対応
査定・契約スピード契約:最短2週間
個人事業主の利用記載なし
運営会社ケイアイスター不動産株式会社×株式会社セゾンファンデックス

関東エリアの戸建て住宅を扱うケイアイスター不動産が、セゾンファンデックスと業務提携して提供するサービスです。住居用のマンション・戸建てに加えて、オフィスビル、事務所、店舗、工場といった事業用不動産のリースバックにも対応しています。

買主はKEIAIまたは提携企業で、最短2週間での現金化を案内しています。定期借家契約を結んだ後、再契約によって使用を継続することができ、将来的な再購入(買戻し)にも対応します。関東圏で事業用不動産を保有する中小企業にとって、地域密着型の相談先の一つになります。

スター・マイカ「マンションリースバック®」

スター・マイカ「マンションリースバック®」公式サイトの画像
対象資産マンション(社宅・保有物件向け)
対応エリア札幌・仙台・東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・京都・兵庫・広島・福岡
契約形態普通賃貸借契約・定期賃貸借契約
買取価格の目安記載なし
買戻し記載なし
査定・契約スピード査定:最短即日〜3営業日/契約:最短1週間
個人事業主の利用記載なし
運営会社スター・マイカ株式会社

東証プライム上場のスター・マイカ・ホールディングスを親会社とし、中古マンションの買取再販事業を主軸とする企業のサービスです。対象はマンションに限られますが、社宅や保養所として法人名義でマンションを保有している企業が、資産整理と資金調達を同時に行いたい場合の選択肢になります。

オーナーチェンジ物件(賃貸中の物件)の買取実績が豊富で、その経験を踏まえた賃料設定を強みとしています。住宅ローンが残っている物件でも利用できますが、売却代金が残債を下回る場合は不足分の自己負担が必要です。

三菱地所リアルエステートサービス「セール&リースバック」

三菱地所リアルエステートサービス「セール&リースバック」公式サイトの画像
対象資産本社ビル・工場・物流施設・店舗等(CRE戦略向け大型物件)
対応エリア記載なし
契約形態記載なし
買取価格の目安記載なし
買戻し記載なし
査定・契約スピード記載なし
個人事業主の利用記載なし
運営会社三菱地所リアルエステートサービス株式会社(三菱地所グループ)

三菱地所グループの不動産サービス会社が提供する、企業不動産(CRE)戦略向けのセール&リースバックです。本社ビルや工場、物流施設、店舗など、比較的規模の大きい事業用不動産を対象としており、遊休地の有効活用やオフバランス化による財務体質の改善を目的とする企業に向いています。三菱地所グループの知見を活かした不動産活用の提案力が強みで、単なる資金調達にとどまらない企業不動産戦略全体の相談先になります。

株式会社リアルエステート「事業用リースバック」

株式会社リアルエステート「事業用リースバック」公式サイトの画像
対象資産店舗・事務所・工場等(銀行融資が難しい事業者向け)
対応エリア記載なし
契約形態記載なし
買取価格の目安記載なし
買戻し記載なし
査定・契約スピード記載なし
個人事業主の利用
運営会社株式会社リアルエステート

不動産の買取再販や再生を手がける株式会社リアルエステートが提供するサービスです。銀行融資の審査が厳しい業績悪化中の事業者でも、保有する不動産を担保に資金調達できる点を打ち出しており、リースバックは融資と異なり利息の支払いが発生しない点もメリットとして案内しています。大手ほどの知名度はありませんが、地域密着型で相談しやすい規模の会社を探している中小企業には選択肢になります。

法人向けリースバックを比較するときの選び方を5つ解説

会社ごとの特徴を並べただけでは、自社にとって何が有利な条件なのかが見えにくくなります。ここでは、査定額の多寡だけでなく、契約後の負担や将来の選択肢まで含めて判断するために確認しておきたい5つの観点を整理します。

それぞれ順に解説いたします。

買取価格

買取価格は市場価格の60〜80%程度が一般的な目安とされています。これは、リースバック会社が買い取った物件を将来的に再販、または長期保有して収益を得ることを前提に価格を組み立てているためで、通常の仲介売却のように市場の需給だけで価格が決まるわけではありません。

同じ物件であっても、会社の得意分野や保有資産の傾向によって査定額は数百万円単位で変わります。たとえばマンションの買取再販を主軸とする会社であれば、区分マンションに対して相場に近い価格を提示しやすい一方、工場や倉庫のような特殊な用途の物件は汎用性の低さを理由に低めの査定になりやすい傾向があります。そのため、1社の提示額だけで判断せず、自社の物件と相性の良い会社を含めて複数社に査定を依頼することが欠かせません。

毎月のリース料

リース料は、周辺の賃料相場ではなく、買取価格に期待利回り(おおむね7〜13%程度)を掛けて算出されるのが一般的です。「買取価格×期待利回り÷12か月」という計算式で見ると分かるとおり、買取価格を優先して高く設定すればするほど、その分毎月のリース料も比例して上がっていきます。

まとまった資金を確保したい気持ちが先行すると、買取価格の高さだけで会社を選びがちですが、その結果としてリース料が重くなり、数年後にキャッシュフローを圧迫するケースは珍しくありません。資金調達額とリース料負担は表裏一体の関係にあるため、契約前に「調達した資金で何をどれだけ改善できるか」と「毎月のリース料をどのキャッシュフローから支払い続けるか」を、あわせてシミュレーションしておく必要があります。

賃貸借契約の種類(普通借家か定期借家か)

普通賃貸借契約は、貸主からの更新拒否に正当事由が必要とされ、借主の使用が法的に保護される契約形態です。契約期間が満了しても、双方に問題がなければ更新を重ねて使用を継続できます。一方、定期賃貸借契約は契約期間の満了によって原則として契約が終了する仕組みで、その後の再契約は貸主側の判断に委ねられます。

事業所として同じ場所を長期的に使い続けたい企業にとって、この違いは経営の安定性に直結します。定期賃貸借契約で契約されている物件は、たとえ「再契約できることが多い」と案内されていても、それは法的な保証ではなく、あくまで貸主側の裁量による対応です。移転リスクを避けたい場合は、普通賃貸借契約を採用している会社を優先して比較する必要があります。

買戻し条件

買戻し価格は、売却価格に業者の利益や資金コストを上乗せした金額になるのが一般的で、売却価格の110〜130%程度が目安とされています。つまり、いったんリースバックで売却した不動産を将来買い戻す場合、売却時よりも高い金額を用意しなければならないのが基本の構造です。

この構造の中で、一建設の定期プランのように、契約期間を限定することで売却価格と同額(またはそれ以下)での買戻しに対応する例も存在します。買戻しを前提にリースバックを検討している企業にとって、この差は将来必要になる資金の規模を大きく左右するため、算出方法と価格の上限を契約前に確認しておくことが重要です。

対象資産・対応エリア

本社ビルや工場、倉庫まで幅広く対応する会社もあれば、マンションに特化した会社、特定のエリアに限定して営業している会社もあります。対応エリア外や対象外の資産では、そもそも査定の土俵に上がらないため、他の条件を比較する以前の問題として、まず自社の物件が対象になるかどうかを確認しておく必要があります。

特に工場や倉庫のような特殊用途の物件は、対応可能な会社自体が限られる傾向があります。比較の初期段階でこの点をふるいにかけておくことで、実際に問い合わせる会社の数を絞り込み、査定依頼にかかる手間を減らせます。

法人向けリースバック会社のおすすめを利用目的別に解説

同じ「法人向けリースバック」という商品でも、急な資金繰りを乗り切りたい企業と、企業不動産(CRE)戦略として腰を据えて不動産活用を見直したい企業とでは、優先すべき条件も、相談すべき会社の傾向も変わってきます。ここでは代表的な5つの利用目的ごとに、紹介した7社の中から候補になりやすい会社を挙げます。

それぞれ順に解説いたします。

運転資金をすぐに確保したい企業

大口案件の受注で一時的に手元資金が不足している、追加融資の枠がふさがっているなど、資金需要が急を要する場面では、査定から資金化までのスピードが会社選びの決め手になります。セゾンファンデックスは査定を最短即日から3営業日で提示し、契約までを最短2週間としており、一建設も査定を1〜3日、決済を最短即日と案内しています。銀行融資のように審査に1〜2か月かかる資金調達手段と比べると、この差は資金繰りの逼迫度が高い企業ほど重要になります。

本社ビル・店舗を長期利用したい企業

同じ場所で事業を続けることが取引先との信頼関係や従業員の勤務環境の維持につながる企業にとっては、契約更新の自由度が重要な判断材料になります。セゾンファンデックス、一建設の標準プラン、ハウスドゥは、いずれも更新回数に制限のない普通賃貸借契約を採用しており、契約満了のたびに移転リスクを心配する必要がありません。

将来買い戻したい企業

一時的に資金を確保したいが、経営が安定した段階で不動産を再取得したいと考えている企業にとって、買戻し条件の設計は会社選びの中心になります。一建設の定期プランは売却価格と同額での買戻しに対応しており、KEIAIのリースバックも再購入の仕組みを用意しています。買戻し前提で契約する場合は、価格の算出方法だけでなく、買戻しが可能な期間の長さも確認しておく必要があります。

工場・倉庫など特殊な物件を保有する企業

工場や倉庫は、汎用性の低さや設備の特殊性から、査定を断られたり、極端に低い金額を提示されたりすることが少なくありません。一建設は取り扱い不可の物件が原則ないとしており、KEIAIのリースバックも工場やオフィスビルへの対応を明示しているため、特殊な物件を保有する企業にとっては、まず相談してみる価値のある候補になります。

企業不動産(CRE)戦略として大規模に取り組みたい企業

単発の資金調達ではなく、遊休地の有効活用やオフバランス化を含めた不動産戦略全体を見直したい場合は、財務体質の改善や企業価値向上まで視野に入れた提案が求められます。三菱地所リアルエステートサービスのように、不動産開発・運用のノウハウを背景にCRE戦略全体を相談できる会社は、こうした中長期の経営判断を伴う場面での候補になります。

法人向けリースバックを比較するときの注意点

会社を絞り込んだ後も、契約内容の細部を詰める段階で見落としがちな落とし穴があります。売却価格やリース料といった目に見える数字だけに気を取られると、契約後になって想定外の負担やトラブルに直面しかねません。ここでは、契約前に必ず確認しておきたい5つの注意点を挙げます。

それぞれ順に解説いたします。

売却価格だけで決めない

売却価格が高い会社ほど、その分リース料も高く設定される傾向があります。前述のとおり、リース料は買取価格から逆算して決まる仕組みのため、目先の売却価格の高さだけで会社を選ぶと、月々のリース料負担が想定より重くなり、数年後の資金繰りを圧迫する可能性があります。売却価格とリース料は必ずセットで比較しましょう。

契約期間と更新条件を確認する

契約期間が短い定期賃貸借契約では、期間満了時に再契約されるとは限りません。「更新できることが多い」という一般的な傾向と、契約書に明記された条件は別物です。契約書に記載された契約期間と、更新・再契約の具体的な条件(貸主の裁量なのか、一定の条件を満たせば自動的に更新されるのか)を、契約前に必ず確認する必要があります。

定期借家契約は再契約できるとは限らない

多くの会社が「再契約により使用を継続できる」と案内していますが、これは会社側の判断に委ねられる制度であり、法的に保証されたものではありません。貸主側の経営方針の変化や、物件の再販計画によっては、更新が難しくなるケースもあります。同じ場所で長期的に事業を続けることを前提にするなら、普通賃貸借契約を採用している会社を優先しましょう。

買戻し価格を契約前に確認する

買戻し価格は、契約時点で明確に取り決めておかないと、後から売却価格を大きく上回る金額を提示されるケースがあります。「将来買い戻せる」という口頭の説明だけで契約を進めるのではなく、算出方法と価格の上限を書面で確認し、買戻しが可能な期間についても契約書に明記されているかを確かめる必要があります。

融資(不動産担保ローン)や資産売却とも比較する

リースバックは資産を保有したまま融資を受ける不動産担保ローンとは異なり、所有権を手放す取引です。金融機関からの融資を受けられる状況であれば、資産を保有し続けたまま資金調達できる融資の方が、トータルコストで有利な場合もあります。リースバックありきで検討を進めるのではなく、融資や通常の資産売却も選択肢として並べた上で比較しておくと、判断材料が増え、契約後の後悔を避けやすくなります。

法人向けリースバックのメリット・デメリットを解説

資金調達の手段としてリースバックが向いているかどうかは、企業の財務状況や事業所への依存度によって変わります。メリットだけを見て契約を急ぐのではなく、デメリットも含めて総合的に判断することが、契約後の資金繰りを安定させる上で重要になります。

法人向けリースバックのメリット

不動産を売却して短期間でまとまった資金を得られる一方、事業所を移転せずに済むため、取引先との関係や従業員の通勤環境を変える必要がありません。赤字決算や債務超過であっても、審査の中心が資産価値に置かれるため、金融機関からの融資が難しい企業にとって数少ない資金調達の選択肢になります。固定資産税や保険料の支払いが不要になり、資産の維持管理にかかる事務負担を軽減できる点も利点です。さらに、売却の事実を公表する義務はないため、取引先や顧客に知られずに資金調達できる場合が多く、経営状況への憶測を招きにくい点も、通常の資産売却にはない特徴です。

法人向けリースバックのデメリット

売却価格が市場価格より低くなるため、通常の資産売却と比べて手元に残る資金は少なくなります。売却後はリース料の支払いが継続的に発生し、資産を保有していた頃の税金・保険料負担より重くなるケースもあります。定期賃貸借契約の場合は契約期間満了後に退去を求められる可能性があり、事業拠点を失うリスクと隣り合わせになる点は見落とせません。買戻しを検討する場合も、売却価格を上回る買戻し価格を用意する必要があり、資金計画に余裕がないまま買戻しを急ぐと、かえって資金繰りを悪化させる可能性があります。

法人向けリースバックのよくある質問

法人向けリースバック会社は何社くらい比較すればいいですか?

最低でも3社に査定を依頼することをおすすめします。買取価格やリース料は会社の得意分野や査定方針によって数百万円単位で差が出ることがあり、1〜2社の提示額だけでは、その金額が市場水準に対して妥当なのかを判断しにくいためです。特に工場や倉庫のような特殊な物件を保有している場合は、対応できる会社自体が限られるため、事前に対象資産・対応エリアで候補をふるいにかけたうえで、複数社に査定を依頼しましょう。

法人向けリースバックはどこが一番おすすめですか?

すべての企業に共通しておすすめできる1社が決まっているわけではありません。運転資金をすぐに確保したいのか、本社ビルで長期的に事業を続けたいのか、将来的な買戻しを前提にしているのか、工場のような特殊な物件を保有しているのかによって、比較すべき会社の傾向は変わります。まずは自社が何を最優先したいのかを整理したうえで、目的別に候補を絞り込むのが近道です。

個人事業主でも利用できますか?

利用できます。セゾンファンデックスの事業用リースバックは個人名義の物件でも対象になるほか、ハウスドゥや株式会社リアルエステートも個人事業主・中小企業の事業用不動産に対応していると案内しています。ただし、会社によって対応の可否や条件が異なるため、申込み前に個人事業主でも利用可能かどうかを確認しておくと確実です。

赤字決算や債務超過でも利用できますか?

利用できる場合が多くなります。リースバックは融資と異なり、企業の財務状況よりも資産そのものの価値が審査の中心になるため、金融機関からの融資を断られた企業でも資金調達の選択肢になり得ます。ただし、審査が資産価値中心だからといって無条件に通るわけではなく、契約後にリース料を継続的に支払えるだけの見通しがあるかどうかは、いずれの会社でも確認されます。

買戻しはどのくらいの価格になりますか?

一般的には売却価格の110〜130%程度が目安とされています。これは、いったん売却した不動産を買い戻す際に、業者側の利益や資金コストが上乗せされるためです。一建設の定期プランのように、契約内容によっては売却価格と同額での買戻しに対応する例外的な会社もあるため、買戻しを前提にするなら各社の算出方法を比較する価値があります。

リース料はどのように決まりますか?

買取価格に期待利回り(おおむね7〜13%程度)を掛けて年額を算出し、12か月で割った金額が目安になります。たとえば買取価格が5,000万円で期待利回りが10%の場合、月額リース料はおよそ41.7万円が目安です。買取価格を高く設定するほどリース料も比例して上がるため、調達したい金額と毎月の負担のバランスを事前に確認しておく必要があります。

契約後にリース料が上がることはありますか?

会社や契約内容によって異なります。多くの会社は契約期間中のリース料変動なしを打ち出していますが、契約更新のタイミングで条件が見直される場合もあります。特に定期賃貸借契約は、更新のたびに条件交渉の余地が生まれやすいため、契約前に更新時の取り扱いがどうなっているかを確認しておく必要があります。

法人向けリースバックで後悔することはありますか?

売却価格の低さやリース料負担の重さを契約後に把握し、後悔するケースが報告されています。原因の多くは、売却価格やリース料単体だけを見て契約を急いだことにあります。複数社を比較し、契約後に発生する費用(修繕費、更新料、保険料など)まで含めた資金計画を立てたうえで契約することが、後悔を避ける最も確実な方法です。

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